●TVK局の受信対策
以前から神奈川テレビ(TVK)放送を受信していたため、地デジへの移行後でもTVKの受信が出来ることが前提であった。
今までKTVはUHFのアナログ放送で物理チャネル(ch)42の高い周波数で放送されていたため、低い周波数の物理ch18で送信しているTVKの地デジ放送は古いUHFアンテナでは動作利得が下がってしまい、かなり電波が弱くなってしまう。
したがって、TVKをある程度の電波の強度で受信出来るようにして、東京タワーからの主要局の地デジ放送も受信するようにするためには以下の2つの方法に設定する必要がある。
(1)TVK(18ch)専用のローch用のアンテナ利得の高いアンテナと東京タワー(スカイツリー)受信用のアンテナの2本を使って混合器で混合してブースターに接続する。
(2)高感度のアンテナ1本でTVK、東京タワーの全ての放送を平均的に受信できるように、アンテナの向きを調整してブースターに接続する。 ただし、この場合は、東京タワーからスカイツリーに変わった場合の電波の反射状態などが変わる可能性があり、再度アンテナの方向を変える必要があるかもしれない。(何も変わらないかもしれないが・・・)
スカイツリーに移行したときの電波強度を推定すると、概ね東京タワーとスカイツリーの距離は2倍強となる。 主要局の電波の出力は10KWで変わらないとのことなので単純計算すると、電力密度は距離の二乗に反比例するので1/4、電界(電圧)強度はそのルートになるので1/2になる。 電波塔の高さが同じであれば電界強度は50%に低下してしまうが、スカイツリーは高さ634mで東京タワーの2倍弱のため、見通しにはならないが高層ビルなどの障害物に対する放射角度が高くなり電波の輻射、反射による電界強度は多少上がるかもしれないが、近所の高層ビルの影の状態はほとんど変わらないので逆に電波の強さは若干下がる可能性のほうが高いと考えておいたほうがリスクは小さい。
以上より、数値化は困難だが、この場所の場合には、スカイツリーに移行しても大幅に電波が弱くなることは無いと推定できるが、問題は安定的に受信できるかどうかである。
全くの個人住宅ではない4世帯の共同住宅のため、受信品質は確保する必要があるため、とりあえずTVKを受信できる方向に高感度UHFアンテナを向けて、混合器を付けても十分受信できる場合には2本のアンテナで安定に受信できるようにすることにする。
実験的にTVKに向けたときの信号強度は混合器をつけたときの透過損失約-5dBを考慮しても十分受信できることがわかったため、スカイツリーに移行した時にあわてて方向を変えたり、再調整することは避けるべきと判断して、TVKと東京タワーの2方向にアンテナを設置し、混合器で混合することが得策と判断。
またデジタル化推進協会(総務省関連の法人)に確認したところ、東京タワーに向けていたアンテナで地デジが見られていたにもかかわらず、スカイツリーに移行した時に電波が受信できない場合には総務省が対策をとることになっているとのこと。
直ぐに対応してくれるかどうか不明でテレビが暫く見られなくなる可能性もありますので、自己解決しておくのに越したことはありません。
混合を購入しTVKの最も強度が強い方向と、東京タワー局の最も弱い局(東京MX)が最も強い状態に方向を合わせて混合してみると、TVKのアンテナから東京タワー局の反射波を相当強く受信するため相互に干渉して、最も弱いTVKがブロックされてしまうことが判った。
アッテネーターで東京タワー局の信号強度を減衰したが、減衰すると今度は東京タワー局が不安定になり、東京タワー向けのアンテナの方向を色々変えてみたがバランス良く受信することが出来ないことが判った。
そこで、TVKと東京タワー局を分離するためのフィルターを購入し、TVKと東京タワー局が独自に調整できるようにしたところ、東京タワー局は全局受信レベルを上げることができ、TVKは電波は弱いが視聴は可能な状態に設定できた。
TVKを無視すればいとも簡単に地デジ対策は完了できたのだが、TVKも視聴することを前提としたため東京タワー局の品質優先に加えてTVKも見られるバランス点を見出すのに時間が掛かってしまった。
●一難去ってまた一難
・とりあえず、TVK、東京タワー局全部が見られるように設定できることが判ったが、設定後に新しく購入した機器類を収納ボックスに入れてみると、TVKのアンテナレベルが極端に下がってしまい、ノイズも時々出るようになることが判った。
・つまり、他世帯ようにはCATVと古いBSブースターで受信しており、我が家では新しい機器で状況の確認をしているため、2セットのブースターが密接して動作しているため相互干渉していると推定できる。 または複数のブースターがフィルター部に直接影響していると推定できるが原因が複数あり確認困難。
・1週間ほど我が家で状態を確認するためにはこのブースター同士の干渉も排除しなければならない。
・そこで古いブースターはいずれ撤去するので、雨に濡れないように収納ボックスから外に出すなどして暫く様子を見ることにする。
いやはや、これもまた想定外の出来事でした。
●TVKも無事視聴できることを確認
・他世帯を含めて4世帯全てをCATVからアンテナ受信に切り替え、問題なく受信できることを確認した後、今まで使用していたブースターの電源を切ったところ、ブースターの干渉が消えてTVKも安定に受信できるようになった。
・因みに最終設定時のアンテナレベルは、ブロックノイズ無で受信できるレベルは33程度のテレビではCATVでは全ての局がアンテナレベルでほぼ50-55程度で受信できていたが、アンテナ受信では、最も弱いTVKで52、東京MXが62、その他は70-80で強力に受信できている。
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